平成おしゃれとフリッパーズ・ギター
12月に入りました。
年末は、歌番組が多いですね!
特に今年は平成最後の年ということで、「平成」という時代を振り返る場面も増えています。
たくさんの音楽に彩られ、たくさんの名曲が誕生した「平成」。
実は otohana にも「平成」をテーマにしたシリーズがあります。
「平成おしゃれ歌」です!
PIANO meets … シリーズ (「さまざまなアーティストや作品がピアノと出会ったら!」そんな思いつきから、色々なジャンルや楽器の音をピアノで表現したり、それらの音楽からピアノならではの音楽をも生み出すことを目指した、楽曲、ピアノそれぞれの新たな可能性を追求するシリーズ) の一つである「平成おしゃれ歌」では現在、90年代に活躍した フリッパーズ・ギター と 小沢健二 さんの楽曲を取り上げています。
今回は、この「平成」の音楽史において重要なアーティストを、私たち otohana の演奏にのせ、当時の出来事、そして「おしゃれ」とともに振り返ります!
otohana 流「平成」振り返り企画!
平成おしゃれとフリッパーズ・ギター
スタート!!
オープニングを飾るのはこの曲!
恋とマシンガン Young, Alive, in Love
Flipper's Guitar
採譜・編曲:Mika (otohana)
リリースは1990年。
1990年(平成2年)には、こんなことがありました。
- バブル景気最後の年
- 第1回大学入試センター試験実施
- ティラミスブーム
- 記録的な猛暑で水不足が深刻
流行したおしゃれは
- キレカジ(きれいめカジュアル)
- イケイケ・ファッション
流行おしゃれアイテムは
ショートパンツ、ダウンジャケット、チノパンツ、ピーコート、フィッシャーマンセーター、カウチンセーター、フリンジエコロジーカラー、エスニックパンツ、スパッツ、黒ずくめファッション、女性向けワークブーツ、幅広ヘアバンド、ベレー帽
イントロから1990年代の始まりを告げるような、「はじまる」感の強いこの曲ですが、それもそのはず。「予備校ブギ」というドラマの主題歌でもあったのです。
今のように情報を得る手段が多様化していなかった時代、ドラマの影響力というのはとても大きく、憧れでした。主題歌は、そんなドラマを支えて引っ張る最先端おしゃれアイテムだったとも言えます。
続いて、一曲目と同じアルバム「カメラ・トーク」からの一曲。
ビッグ・バッド・ビンゴ Big Bad Bingo
Flipper's Guitar
採譜・編曲:Mika (otohana)
きっと彗星の如く現れたフリッパーズ・ギター。ファーストアルバムの時には5人のバンドでしたが、この「カメラ・トーク」からは2人になります。
この「ビッグ・バンド・ビンゴ」は、二人の「仲が良さそうだけどどこか刹那的な空気」をあらわしている気がします。
刹那的な空気は偶然か必然か。フリッパーズ・ギターは、解散することに。
そう!「青春はいちどだけ」だったのです!
青春はいちどだけ Colour Field
Flipper's Guitar
採譜・編曲:Mika (otohana)
そして、「もしフリッパーズ・ギターが解散せずに続いていたなら、この曲を洗練させた感じの音楽をやっていただろう」
解散後、メンバーがそう話していた曲がこの曲。
ラブ・アンド・ドリームふたたび Love and Dreams are Back
Flipper's Guitar
採譜・編曲:Mika (otohana)
もしかしたら再結成もあるのか?と言われながら、その日は訪れず、メンバーはお互いにソロ活動をすすめます。
愛し愛されて生きるのさ
小沢健二
採譜・編曲:Mika (otohana)
フリッパーズ・ギターが解散したのは1991年で、この曲のリリースは1994年。
1994年(平成6年)の出来事は
流行したおしゃれは
- ストリートファッション
- スノーボード・スタイル
- カジュアルの大人化(NYブランド人気)
- ソフトパンク
流行おしゃれアイテムは
プラットフォーム・シューズ、ソフトジーンズ、ミニスカート・パンツ、ハイソックス、ウルトラショートヘア、マキシスカート、ショート丈トップス、幅広ヘアバンド、耳当て付き帽子、スリップドレス
とっても明るい曲調ですが、世間は不景気、平成不況です。
バブルの象徴のように言われるジュリアナ東京(1991年開店なので本当はバブルの後期〜)もこの年に閉店。
バブルが崩壊しても多くの日本の人は1992年ごろまで好景気を実感していたとされますが、それよりさらに後のこの年。
オウム事件を始め、事件も多い年でした。
この曲から感じられる明るさは、そんな時代の中を体当たりで表現する強さ。
時代は音楽は、前に進んでいるのです。
いかがでしたか??
「平成おしゃれとフリッパーズ・ギター」。
音楽は、心や無意識の感覚など、人そのものやそれぞれの深い部分にとても近いものなので、時代に寄り添い、個々に寄り添い、すすんでいきます。
おしゃれも自己表現なので、きっと似た部分がありそう。
フリッパーズ・ギターは活動期間が短かったけれど、短いからこそ奇跡のような時間だったのだと思います。
でもそういう奇跡は意外と側にもたくさんあるのかも。
小さな日常の集合体である「時代」。
平成とお別れするのは悲しいけれど、きっと消えないものもあり、進むことで見えるものもあり。
とにかく今は、平成の次の時代にどんな音楽がおしゃれが誕生するのか!それが楽しみです。
PIANO meets … 詳しくはこちら▽
♡リトルプレス『はにほ vol.01 創刊号』
ご購入はこちら
▶︎『はにほ』サイト